Shimokitazawa

2010.05.25

TICA 「Johnny Cliche」発売記念インタビュー*前編




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TICA 「Johnny Cliche」6年ぶりとなる待望の New Album 

発売記念インタビュー:前編
  2009.11.12 interview by lete (aki machino)



Grand Gallery より誕生した新レーベルTartownより第一弾として発売された

New Album「Johnny Cliche」


TICA 石井マサユキと武田カオリの二人が、結成から9年の時を経て

積み重ねて得た類稀な技術と才能が、静かに美しく花開いている。

研ぎすまされた音はシンプルさを追求しつつも、柔らかな温もりを感じさせてくれる。

じんわりと染み渡るように心に深く響いてくる、隠れた宝石のようなアルバム。



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photo by hisao mashida




TICA:プロフィール

武田カオリ(Vo.)と石井マサユキ(Produce,All Inst.)によるグループとして活動開始。

2000年5月、カヴァー集『No Coast』でデビュー。収録曲『Rock The Casbah』

とそのSmith&Mightyによるリミックス・トラックが国内外で評価される。

2001年にはオリジナル・フルアルバム『Weight-Less』、Cafe Apress

-midiでのライブを同カフェのオーナーでもある橋本徹氏監修によりリリース。

以降オリジナル、カヴァー等、合わせて7枚のアルバムを発表している。

最新アルバムは2009年10月に発売された。カヴァーを中心とした10曲入りの

アルバム「Johnny Cliche」。The velvet underground “New York Telephone

Conversation” “Femme Fatal” 、The pritenders “2000Miles” 、The sugarcubes

“Birthday”等をticaならではの心地良い空間的なサウンドに仕上げている。最近では、

武田は Mood Makers のフィーチュアリングボーカリストとしての活動や、ゆら

ゆら帝国など様々なプロジェクトにシンガーとして参加。石井は Natural Calamity の森

俊二と2人で Gabby & Lopez を結成して2枚のアルバムを発表。また CHEMISTRYや

GONTITI 、ハナレグミなど多くのアーティストにギタリスト、プロデュース等で参加。

http://mining-for-gold.com/



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「Johnny Cliche」発売まで




lete:まずはニューアルバム「Johnny Cliche」の発売おめでとうございます。時を超えて

長く聴き続けたいと思うようなとても素晴らしいアルバムだと思います。


Tica:ありがとうございます。


lete:前作にあたる4枚目の「MINING FOR GORLD」の完成からは、約6年と間が空き

ましたが、その間お二人はどのようにお過ごしでしたか?


武田:私は子供が出来たので、ほぼ主婦業ですね。それ以外はぽつぽつと誰かの作品に参

加させていただいたりして主に主婦業をやっていました。


lete:Johnny Clicheの制作はいつ頃から始められましたか?


武田:曲は、随分前からありましたよね。


石井:曲はね、全部2004年に書いた。


lete:このライブアルバム(LIVE 02JUL2005)にも入っている曲ですよね?


武田:そうですね、だから何度も何度もライブでは演奏していたんですけれど。


lete:今回アルバムを作るきっかけというのはあったのですか?


石井:きっかけをくれたのはレーベルですね。


lete:作られて自分たちのものになっていた曲をアルバムにしたと?


武田:そうですね。うん。




二人の創造性 《顔のある音楽》 




lete:タイトルにもなっています1曲目のJohnny Cliche、2曲目のSunday Afternoon、

3曲目のRoom105は、Manuel Bienvenuの作詞で曲が石井さんですが、どういったプロ

セスで作られたのですか?


石井:うーん、詩先。マニュが最初に詩だけ書いてきて、それに曲をつけるというやり方

で全部作ったかな。


lete:今回のアルバムでは、この3曲と8曲目のOne Hundred Loveを加えた4曲がオリ

ジナルですが、どのようなイメージで作曲されたのですか?


石井:そうですね、太くて短い曲というイメージですね。他には、多くの要素が同時多発

的に起きながらもうるさくならないようなだとか、ゴチャゴチャした印象を与えずそれで

いて濃密な空間を感じさせるだとか。尺はなるべく短く、一筆書きのように一気に駆け抜

けるようにする。と言ったところでしょうか。


lete:普段作曲というのは作りたい曲があってで、作られている?


石井:基本的にはそうですよね。でも偶然みたいな事もあります。


lete:お部屋で楽器や機材に囲まれて作る事が多い?


石井:そうですね、曲は作ろうとして作る事の方が圧倒的に多いです。


lete:その際に誰が歌うっていうのは、考えてたりするのですか?


石井:TICAの場合には武田が歌うというのが前提としてあるでしょうね。


lete:Sunday Afternoonは2005年に発売されたライブアルバムと比べて、武田さん

の歌い方がかなり変わった印象ですが


武田:このライブアルバムのSunday afternoonの歌って結構良くて、それはそれで好き

だったんですけど、今回はね、石井さんからのリクエストも相当多かったんです(笑)歌

入れは全体的にかなり時間がかかりました。


lete:どのようなリクエストでしたか?


武田:どんなリクエストだったかな?そんなに抑揚をつける感じじゃなくて、もっとオケ

に添うようなというか。自分で弾き語りをして歌っている位の感じかな?でもそれが凄く

難しくて、期限を過ぎてもまだ歌入れ終わらなくて、途中でかなり嫌になって、ははは。

あまりにも長く歌ってたからわからなくなっちゃって、ホントのギリギリになってやっと

納得いく歌が歌えたかなという感じですかね。


lete:(石井氏に向かって)その辺はこう、考えていたものとちょっと違うなという?


石井:うーん。そうだったのかなぁ?


lete:武田ならばもっとできるだろうみたいな?そんな?


武田:父さん厳しいですから(笑)


lete:それでなのかもしれないですけど、より素直に真っすぐに歌っていらっしゃるよう

な印象が


武田:そうですね、うん。まさにそうだと思います。


lete:あとデビューの頃よりも高音のハリが聴いていて凄く気持ちいいなと思いました

が、その辺りは?


武田:高音のハリはそんなに意識していないですね。でもデビューの時よりも曲のキーが

高くなっているというのはあります。


lete:ああ、曲自体の。


武田:そうですね。


lete:Room105では、石井さんがリードボーカルをとられていますが、また歌いたいと

いう思いがでてきたのですか?


石井:別にまた歌いたくなってとかではないですけど、2004年位にエイベックスのコ

ンピレーションにソロアーティスト名義で参加する事があって、その時作った曲です。そ

れで、一応ソロ名義で参加したから自分で歌ったという。作詞がマニュで曲を自分で作り

ました。そういう機会があって、これも折角だからTICAとして入れようかなって。


lete:アレンジを変えたりされたのですか?


石井:いや、基本的には2004年にレコーディングした当時とほとんど同じですけど、

今回ギターをちょっと足したり多少変えましたね。変えたと言うかアドしたというか。


lete:TICAの曲の中ではめずらしい程に感情を濃く感じる曲で印象に残りましたが‥


石井:え?Room105?


lete:はい、なんかこう男らしい感じのロマンティックな曲だなと思って。何か特別なイ

メージがあったのですか?


石井:ロマンティックでも何でもいいんだけど、常にエモーショナルな方がいいとは思っ

ているんです。あの曲だけ特別そうしようとしてやった訳じゃなくて、基本は常に、エ

モーショナルな音楽がいいと思っているんです。

あと武田の歌声はね、要するに、昔のはこうなりたいっていう憧れの部分をどう真似する

かみたいなのがあって‥で、10年やってきてもうそろそろ自分の声持ったら?と。武

田って誰なの?っていう事が、もうわかってこないと面白くないじゃないですか。


lete:聞いてる方としては心に残るというか


石井:そうですね、顔のある音楽というか。それを「エモーショナルな音楽」という言い

方をしてもいいのですが。


lete:本物のTICAと言ったら何ですけど、それに辿り着く迄の道筋ですね。


石井:アーティストはみんなそうなんじゃないですか?TICAがと言うんじゃなくて。


lete:Room105はそのエモーショナルな音楽が、印象に残ったんでしょうね。


石井:あの曲だけ特殊にどうしたという事はないけど、でも2004年にJohnny Cliche

やRoom105だとか作り出した年から、はっきり気分が変わったというのは確かにありま

す。




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創られたTICAから創るTICAへ




lete:切り替えの年だったと?

石井:全部ではないですが、それまではレーベル側から今度こういうのを作りましょうと

お題がある場合もあって、それにトライするという部分もありました。


lete:仕事としてという


石井:うん、仕事として。


武田:そうでしたね、やっぱり。


石井:でもそれが、2004年位から完全にそうじゃなくなってたというのは一つのきっ

かけですよね。


lete:わかりました。ありがとうございます。




弾き語りのように歌うのが難しかった




lete:では次に、One Hundred Loveは、オリエンタルな香りが漂うムードのある曲で、武

田さんが作詞されていますが、どのように詞を書かれたのですか?


武田:そうですね、これは最初に曲があって。なので歌いたい事というよりは、その曲に

乗っかり易い詞と、、最初に「if you give me a」というのがあって、そこから合うよう

な歌詞を広げていった感じなので。


lete:詩のストックはしておく方ですか?


武田:そんなにたくさんは無いですけど、アイデアは幾つかあります。


lete:アイデアがあるのですか、楽しみですね。次にカバー曲になる5曲目のEdelweissで

すが、こちらの選曲は?


武田:石井さんです。


lete:なぜこの曲を選ばれたのですか?


石井:Edelwiess。うーん。理由はサウンド・オブ・ミュージックという映画が好きだっ

たから。


lete:そうでしたか。アレンジはすぐにできたのでしょうか?


石井:Edelwiessはソロギターでアレンジしてみたら結構弾けると思って。それで面白い

からどんどん追求していって、一曲ちゃんと弾けるようにして、ついでに武田に歌っても

らってライブでやる事にしようかなと。


lete:ああ、そうでしたか。武田さんははこの曲を歌うのは始めてですか?


武田:違うと思います。学校で日本語版が教科書に載ってるから。あんまり覚えてないで

すけど。


lete:初めての曲はどの位練習するのですか?


武田:初めての曲ですか。家でどの位するかな?曲にもよりますけど、多分今までのアル

バムの中で(Johnny Clicheが)、一番練習したと思います。


lete:本当ですか。ご苦労が?


武田:そんな苦労っていう気はしなかったですけど、そうですね、、気が付いたら。


lete:何か難しい曲があったのですか?


武田:やっぱりJohnny Clicheですね。


lete:ちなみにどんなところが?


武田:石井さんのオケに乗れないというか(笑)難しかったんですよ。もともと曲が難し

いなと思ってたんです。多分石井さんが弾き語りで自分で歌ったらできると思うんですけ

ど、私は石井さんではないから石井さんのノリに合わせるのが難しいっていうか。弾き語

りみたいには歌えなくて、なかなか慣れられませんでした。


lete:わかってはいるんだけれども


武田:そうです。


lete:慣れに辿り着くのにはコツがあったのですか?


武田:いや、コツなかったです。練習するだけでした(笑)はい。


石井:この頃の方が(LIVE02JUL2005を指して)イメージが持ててたよね、多分。


武田:そう、それすごく気に入っていて。


石井:Johnny ClicheもSunday Afternoonも、この時には音楽的にはキーが半音低いか

ら、今より低い声で歌えているっていうのは単純にあるんだけど、でもそういうんじゃな

くて何だろうな、理解力がこの頃の方があったっつうか(笑)


武田:ふふふ(笑)


石井:結局パフォーマンスとして、例えばこのライブは(LIVE02JUL2005)偶然なのか

もしれないけど。


武田:あとね、その頃は結構どのライブも割と良かったんじゃないかな、って気がしま

す。新しいTICAに変わった時期で、事務所もなくなって、これから本当に自分達の好きな

事だけをやって行けるっていう、何か新しいものに向かってゆく希望とかワクワク感って

ものがあったんでしょうかね。


lete:そういう気持ちの影響は大きいですよね。


武田:大きかったと思います。精神的なものが結構大きかったんじゃないかと思います。


石井:でも確かにこの時期はそういうのあったよね。

lete:いい時期だったのですね。


武田:そうですね。


lete:次に7曲目に入っていますI Shot The Albatross ですが、こちらはカバー曲です

か?

石井:カバーです。


lete:曲を聴いて気に入られて?


石井:そうですね、すげえいい曲だなと思って。


lete:あまり有名なバンドじゃないですよね?


石井:全然有名なバンドじゃないみたいですね。


lete:どこでお知りになったのですか?

石井: CD屋さん。


lete:偶然?


石井:偶然ですね。たまたま店で展開してて視聴機に入ってたんですよ。グラスゴーのバ

ンドでアルバムは2枚しか出てないのかな?その2枚は一応買いましたけど、その後どう

してるかは分かんないですね。


lete:ああ、そうでしたか‥




Manuel Bienvenu から受けたこと




lete:ではアルバムに入ってる他のカバー曲について、まずThe Velvet Undergroundの

New York Telephone Conversationですが、ロマンティックな前曲Room105からの流れ

もあり、パッと明るく花が咲いたような印象でした。原曲を忘れる程ぴったり嵌ったアレ

ンジに感動しましたが、どのようにアレンジされたのですか?


石井:これもコンピに参加する為にTICAで一曲作ったもので、以前からこの曲をやってみ

たかったっていうのがあって。アレンジのアイデアは朧げながら昔からあった。


lete:マニュエルさんの影響はありましたか?何かあれば具体的に


石井:影響はあった。TICAとは別に二人でやってるグループがあって、それは二人でせー

のって一緒に曲を作っていくのですね。だから具体的な影響は、その際のやりとりから受

けたかな?あんまりそうやって作らないから、普通。


lete:お一人で作られる事が多い?


石井:でしょう。だってなかなか面倒臭いじゃないですか。人と一緒に作曲するっていう

のは。例えば、それぞれに俺はAのパートを家でつくってきたからお前Bのパート作ってこ

いよと。で二人合わせて開陳して、何かしらのマイナーチェンジやブリッジになるパート

などはその場で共同で作曲する、などの作業はあるのかもしれないけど、基本的には作

曲っていうのはさ


lete:ひとりで


石井:うん、でしょう。マニュの音楽の作り方や、構造としての音楽の捉え方などには影

響を受けました。


lete:New York Telephone Conversationの歌声が無垢な少女のようで新鮮ですが、その

辺りは


武田:あれはね、石井さんからのリクエストとしては、何かあんまり、、、。私ね、最初

歌った時に、面白おかしくっていうかちょっと気楽な感じで歌ったんですけど、そうじゃ

なくてもっと感情を入れないで歌ってって言われたんです。でもその気楽な感じがちょっ

と残った結果そうなったのかもしれない。マニュも一緒に、その後歌を歌うから、その役

割はマニュもやるから。私はベーシックな部分をきっちり歌うのが、いいんじゃないって

いう事だったんです。


石井:武田が歌入れする段階にはもうほとんどオケができてる訳だから、その中でこれは

こういう風になるべきというのが、もう見えてる訳ですよ。それで実際に武田が歌ってみ

て何か自分のイメージと違うかんじだったら言うっていう。


武田:でもあれね、2、3回くらいパッとやって終わりました。


lete:そんなに早く


武田:そんな感じでしたよ。




原曲を忘れる才能




lete:2000Miles ,Birthday ,Femme Fataleを歌っているクリッシー・ハインド、ビョー

ク、ニコはとてもアクの強い声で独特の歌い回しをする女性アーティストですが、カバー

しにくくはないのですか?


武田:全然やりにくくないです。それがやりにくくないんですよね、私。


lete:素人考えで言ってしまうと、印象に残って真似してしまうというか


武田:そう。それは最初は真似しちゃうんですよ、絶対。でもFamme Fataleはエブリシ

ング・バット・ザ・ガールのトレーシー・ソーンバージョンをやっぱ真似してます。いま

だにそうです。でも私彼女の事が大好きだし、彼女の歌は割とそうなりたいなって部分も

あるので、それはそれでいいと思っていて。


lete:インスパイアというか


武田:そうですね、で他の曲はライブで演奏しているうちに元々のバージョンっていうも

のを忘れちゃって(笑)ずーっと歌っているうちにそんなに意識せずとも、自然に忘れて

行って。だからやり難い事はないですね。


lete:それは本当に才能だと思います。


武田:いや、考えすぎないから(笑)こうなっちゃうっていうか。


lete:それは訓練してできるようになったのですか?


武田:最初からだと思います。それは。


lete:高音やサビでつい高らかに歌いたくなったりはしないのですか?


武田:あ、します。


lete:そういう時、どうされるんですか?


武田:ライブでそうしてます。レコーディングの時は、高らかに歌うよりは割と抑えて歌

う方が好きなので。でもライブの時って抑えられなくなる時があるので、そういう時はも

う歌っちゃいます。


lete:自分で聴いて好みだなと思うのは、抑えた方なんですか。


武田:うん。やっぱり曲に合ってるなって思うのはそうですね。あまりやりすぎない方が

好みです。


lete:それは石井さんも同じでしょうか?


石井:うーん。それがちょっと変わってきたんですかね。そもそも「抑えめ」とか「高ら

か」っていう発想では考えたことがないですけど。最近は「高らか」というか歌いあげる

方がいいんじゃないって気がする。だからキーが半音上がったりとか。


lete:気が付かれていました?


武田:高らかな方がいいっていうのは気付いてないです。キーは勿論気付いてました。




*後編へ続く




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あき 2010.05.25 21:29 | TICA インタビュー | 更新情報をチェックする

TICA 「Johnny Cliche」発売記念インタビュー*後編



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TICA 「Johnny Cliche」6年ぶりとなる待望の New Album 

発売記念インタビュー:後編
   2009.11.12 interview by lete (aki machino)

Grand Gallery より誕生した新レーベルTartownより第一弾として発売された

New Album「Johnny Cliche」





カバー曲を選ぶときの基準は




lete:カバー曲を選ぶ時に好き嫌いの他に基準はあるのですか?


石井:うーんと、一番重要なのはメロディーが強いっていうか、ちゃんとしてるっていう

か。それは絶対条件なんでしょうね。


lete:強いというのは


石井:ちゃんといいメロディーだってことですね。


lete:曲の構成やコード進行などは


石井:歌のメロディーだけの話。コードとか構成はアレンジする際に全部変えるから、歌

メロが良いか悪いか。基本的にはね。




「Johnny Cliche」を発売し終えて




lete:今回のアルバム「Johnny Cliche」制作の時に、特に気を付けた事があれば教えて

ください。


石井:そうですね、まず「隙」「間」を作る事ですかね。それでいて濃密な「空気」を作

ること。そしてある種の人なつっこさやユーモアや意外性を持った作品にすることでしょ

うか。


lete:音の響きや曲のコードについては


石井:和音やメロディーといった音の響きは、クリシェ的な安定感と多少の冒険心とのバ

ランスをとりつつ、自分にとって退屈でないようにしましたね。コード(和音)が変わっ

た瞬間に、パッと色が変わるような印象を持てるようにということでしょうか。


lete:TICAを結成してもうじき10年になりますが、長い間モティベーションやクオリ

ティーを保ってこられたのは素晴らしい事だと思います。その理由は何だと思われます

か?


石井:そういう風に思ってないもん。


武田:思ってない。いや全然もう。


石井:1ミリも思ってないですね。


lete:1ミリも‥


石井:ええ、ないですね。


lete:ないですか?そのポテンシャルの高さですとか、作品のクオリティーっていうのは

素晴らしいと思いますが‥


石井:いや、いつも不満だよね。


武田:そうですね。


石井:たいがい、ま、1年に数回いいライブだったなと思える日があるかないか


lete:そんなに少ないんですか‥


石井:極端に少ないですね。


lete:その欲求不満がまた先の糧に?


石井:うーん、そういう部分は少なからずあるでしょうけれどね。


lete:高い内容をキープされていて素晴らしいと思うんですけど、それは何か自分を支え

ている源みたいなものが?


石井:根源的なことですよね。何で音楽やってんのって事でしょう。なんでなんでしょう

ね(笑)この年になると他にできる事ないからっていうのがね、大きな理由を占めてきま

すけどね。


武田:ふふふ、そうなんですか(笑)


石井:いやでも転職は難しいって(笑)


lete:そうですね(苦笑)ニューアルバム「Johnny Cliche」の発売を無事終えた訳です

が、振り返ってみて率直な感想をお聞かせ下さい。


石井:今作は1stミニアルバム(No Coast)の無垢な素朴さと、約10年間の活動歴の

中で得た経験が、とてもうまく溶け合った仕上がりになりました。TICAとして初めて顔

のある作品を作れたと思っています。聴いてくれる方々の心に深く沁みるような作品を

目指して作りました。


lete:ああ、そうですね。私は発売日から毎日繰り返して「Johnny Cliche」を聴かせて

いただきましたが、一曲一曲が心に残っています。本当に素晴らしいアルバムだと思い

ました。鼻歌はもう当分TICAづくしですよ(笑)




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子供の頃憧れた職業




lete:ではアルバム事はこの位にして、次からは少しプライベートな質問をしたいと思いま

す。子供の頃憧れた職業は何でしたか(笑)


武田:私はアイドルです。


lete:ええ?アイドル歌手ですか?


石井:でもわかるよ。武田ってそういう所あるよね。


武田:あります?


石井:あるある


武田:そう?アイドルっぽい?


石井:うん、まぁアイドルっぽい。


lete:奇麗ですしね。


武田:そういう事じゃないですよね。石井さんが言ったのは(笑)


石井:いやいやいや、、、


武田:そうじゃなくて、誰かが作った曲を演じるんでアイドルっぽい


石井:あー、いや、何て言うか。


武田:松本伊代になるのが夢でした。幼稚園でもずーっと歌って。センチメンタルジャー

ニーの頃ですよ。多分3歳位だったと思うんですけど、すごく覚えています。


lete:え、、伊代ちゃんですか!?でも伊代ちゃんとは雰囲気違いますね?


武田:やっぱり大きくなってくると色々気付いて(笑)


lete:石井さんは何に憧れて?


石井:小学校の時、漫画家になりたかったです。


lete:あ、そうなんですか?それは好きな漫画家がいらっしゃったとか?


石井:うんまあ。藤子不二雄。


lete:そうでしたか、少し書かれたんですか?


石井:ああ、書いてました。


lete:今は残ってないんですか?


石井:残ってないと思います。担任の先生に見せたくらいですかね、当時の。3年生位の

頃から嵌って6年まで、小学校時代はだいぶ漫画でしたね。


lete:長い間真剣だったんですね〜。


石井:そうですね。




身近にあった音楽を自然に楽しんだ少年時代




lete:なぜ音楽の道に?


石井:音楽も好きだったから、何かそういう風になっちゃったんですね。


lete:当時憧れていたアーティストはいらっしゃったんですか?


石井:小学校の頃に憧れていたアーティストは勿論いましたよ。かぐや姫。


lete:意外な‥‥フォークなんですね。


石井:フォーク全盛でしたからね。その頃、我が家に従姉が住んでたんですけど、彼女が

音大のピアノ科の学生で、手ほどきを受けたんです。


lete:最初はピアノから?


石井:オルガンを習いに行ってましたけどほとんどものにならなくて。彼女はギターも弾

けたのでギターの手ほどきを。


lete:幸運な環境だったんですね。


石井:俺にとっては普通だった。


lete:滅多にいないですよね、そんな親戚が


石井:そんな事ないでしょう、大勢いますよ


lete:ギターはその頃に教えてもらって後はずっとご自分で?よく弾いてた曲や練習して

た曲はありますか?


石井:覚えてないですね。というのもこれというのは無いですね。練習か‥。ギターの練

習をちゃんと始めたのは高校生になってからなんです。ギターは弾けたけど練習なんてし

た事なくて、ギターを弾くのは歌う時だけでした。親戚の姉ちゃんと親父と3人で、夕食

後にセッションみたいにして歌っていた。


lete:ヨーロッパぽくて素敵ですね。


武田:うん


石井:全然そんなんじゃないんだけどね。親父は全然洒落た人じゃなくて、国語の教師で

どっちかっていうとバンカラな人なんですよ。だからお洒落のおの字もない。イケてる髪

型なんかしてると、何だそりゃみたいな(笑)そういう人なんです。だから全然お洒落で

はないけど無骨ながらにギターが好きで、当時女子大生の従姉の姉ちゃんと、その時流

行っている日本の歌謡曲とかを歌うという。その頃の歌謡曲って歌うだけで全然楽しかっ

たんだよね。歌い甲斐もあったっていうか。歌本みたいなのを見ながら、あるいは姉ちゃ

んが一回聴いてコードを書いてくれて、じゃあやってみようかってジャカジャカやるの

(笑)


武田:へぇー


石井:それがギター弾くって事だったから。すげえ楽しかったですね。


lete:大人になってからかなり想い出になりますね。


石井:そうですね。相当想い出になったかな。親父は歌う事が好きな人だったんで、酔っ

ぱらうとひとうなりしたいんですよ。


武田:ふふふっ


石井:当時カラオケボックスは無くてカラオケスナックの時代で、8トラの時代だからこ

んなでっかいテープでガチャコンって入れて


lete:家にもありました(笑)


石井:ありました?そうそれが出てきた頃だったんですよ。だからしょうがなかったんだ

ろうね。歌うには楽器を演奏しないとカラオケが無かったから。


lete:それがベースに、、と言っていいのか(笑)


石井:でも本当に、じゃりんこチエみたいな感じで全然洒落た感じじゃないんですよ。


lete:今の日本では、もの凄く貴重な、そういうお家が増えてくれたらいいなというよう

な家庭ですね。


石井:どうなんだろうね。


lete:今のticaの雰囲気が自分の中で繋がっていると思うのは、おいくつ位の頃なんです

か?


石井:僕は小6位かな。その頃からいわゆるロックや洋楽に目覚めた。多分小学校の3年

位の頃から音楽が好きかもと自覚して。初めてアルバム単位で聴いたのは日本のフォーク

のアルバムだと思うけど何かわからない。かぐや姫とかイルカとかじゃないですかね。で

もまだ自分ではレコードは持ってなかったんです。自分で持ってなくても、親戚のお兄さ

んと家に居候していたお姉さんの二人が音楽好きで、彼等がレコードを買いに行くのにつ

いて行ったりしていて。


lete:わからないなりに


石井:そうそう、何かレコード屋いいな、みたいな。


lete:不良の香りはしませんでした?


武田:ははは


石井:家のまわりの街のレコード屋には少なくともそういう感じはなかったですね。


武田:ふーん、そうなんだ


石井:今はもうないけどね、街のレコード屋さんってほどんど。


lete:残念ですよね。


石井:家の近くに、その頃に通っていたレコード屋で一軒だけ存命の店があるけどね。ア

ポロっていう店で。アポロか名曲堂でレコード買ってたから。


武田:へぇー


石井:すげぇ懐かしい。うーん。


lete:その頃ミュージシャンになりたいと思ってたんですか?


石井:いや、全然思ってない。だって、なりたいっていうかギターのコード3つか4つ、

がちゃがちゃ弾けるだけだから。なりたいも何も想像もできない。


lete:ただたんに楽しんで弾いていたと


石井:そう。




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少女時代の選択



武田:ふーん、そうか。私はお姉ちゃんがいたので、その影響がやっぱり大きかったです

よね。洋楽なんて聴いた事なかったけど、お姉ちゃんが中2、3位の時に初めてターン

テーブルを買って来て、でもそういう時代だったんですけどね。それでこれが今イケてる

んだぜっ、って流行のR&Bとかをお姉ちゃんと一緒に聴いて、あーこれがかっこいいんだ

〜みたいな(笑)だから全然、中学とか高校の時は、今のTICAに繋がるようなのは聴いて

ないですね。大人になってからです。


lete:歌手になりたいと真剣に思ったのは何かきっかけがあったのですか?


武田:それは本当に3才位の時から真剣っちゃ真剣に(笑)思っていて、みんなには言わ

なかったけど真剣ではありましたね。


lete:武田さんの小学時代にはスカウトキャラバンとかはもうなかったんですか?


武田:いや、あったんじゃないですかね。最近もありますよ。


lete:受けたりしようとかは?


武田:いや、もうね。あたし結構早い段階でアイドルっていうかそういうのには無理だ

なってのを、割と気付いてたタイプで。


lete:いいなりにはなれないと?(笑)


武田:いや、もうそれは顔とかそういう問題で(笑)クラスで美人とされている女の子を

見ると、あ、これはもう全然違うなって。割とこういう事は早めにわかったので、そうい

うのはいい、歌えればいいやって(笑)


lete:早めの挫折というか


武田:そうですね、、挫折というよりも切り替えですね。


lete:そんなに小さい頃に自分で選択するって凄いですね。ありがとうございました。




待っていてくれたファンの方々へのメッセージ




lete:もっとお伺いしたいのですがそろそろお時間なので、最後にこのアルバムの発売を楽

しみに待っていてくださった方々にメッセージをお願いします。


武田:聴いてくださるっていうのが本当にありがたいというか、CDを2600円出して、

まあleteに観に来てくださるお客さんもそうなんですけど、ライブを体験しに来てくれ

るってことが、もう本当にありがたくて。自分でさえ最近はお金を出してライブを観に

行ったりするのが、なかなか難しいっていうのもあるんですけど。だから聴いてくださる

方に対して恥ずかしくないような、そういう気持ちで歌ったので、ぜひ長く聴いてくださ

ると嬉しいです。


石井:うーん、ま、だいたいは武田が言ってくれた事なんだけどね。今回のアルバムは、

外から眺めてまぁ良くできてますねという音楽じゃなくて、もう少し聴いてくださる方の

中に入っていくような音楽になれたらいいなと。多少でこぼこしてたり、完璧じゃないか

もしれないけど、とにかく聴いてもらってお客さんとのやりとり、、って言ったら陳腐な

言い方だけど、上手く言葉では言えないんだけど、うーん、全然上手く言えない。今作は

隙があって取っ付き易くて、「素」というか飾らない内容になってると思うんですよね。

だから、かまえずに気楽に聴いて欲しいっていう。


lete:そうですね。より多くの方に聴いていただきたいと思います。ぜひ。


石井:そうですね。是非聴いていただきたいです。



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あき 2010.05.25 20:04 | TICA インタビュー | 更新情報をチェックする